明治 キャビネ判 古写真 鶏卵写真 プロイセン プリンセス マリー オランダ 2024 ザクセン アルテンブルク 妃 アンティーク キャビネット カード

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カテゴリアンティーク、コレクション印刷物その他状態傷や汚れあり(詳細)ドイツ帝国プロイセン王国のプリンス、フリードリヒ・カール・フォン・ホーエンツォレルンとドイツ帝国アンハルト=デッサウ公国公女マリア・アンナ・フォン・アスカニアの長子、プリンセス マリーのキャビネ判の古写真。

書籍やカタログに掲載されている写真の当時物の原版。

プロイセン王国国王は、各王国及び大公国・諸公国によって構成されるドイツ帝国皇帝であるが、プロイセン王国の王族はドイツの皇族ではない。
マリーの父プリンス フリードリヒ・カールは、国王の息子(王子)ではなく傍系の王族で、二女はドイツ帝国オルデンブルク公妃エリーザベト、三女ルイーズは英国女王ヴィクトリアの三男の妃(スウェーデン皇太子妃の母、現国王の直系先祖)である。
ドイツ帝国が誕生した頃にはプロイセン王家であるホーエンツォレルン家は新興国家であったが、そのさらに傍系の、ロイヤルの称号を持たない諸侯家のホーエンツォレルン=ジグマリンゲン家も、のちにはルーマニア国王やベルギー王妃(マリー、現国王の直系先祖)を輩出した、趨勢を誇った名家である。
写真のマリーの初婚の相手は初老のオランダの王位継承者で、子供に恵まれないまま結婚後まもなく相手が亡くなった。
続いて再婚した相手も年配の男性で、二女に恵まれたが、今度はマリー本人が若くして亡くなり、婚家は二女を最後に継承者なく断絶した。
再婚は幸福な結婚であったとされ、一家で撮影した愛情深い写真等も多く残っている。
子孫が放出していると思われるそのような一族の記念品が市場に出ることがあるが、ザクセン=アルテンブルク公家は表向きは直系の男系子孫は断絶している。
マリーとザクセン=アルテンブルク公国アルベルト公子の長子であるオリガ・エリーザベト公女は伯爵夫人となって子孫がいるとされているが、夫がナチスの高位将校で敗戦時に自殺しており、そういった背景もあってか、次子のマリア公女が伯父のアルテンブルク公亡き後公家の当主となっていた。
マリア公女は旧諸侯家のロイス家(銀山を保有するなど裕福だった。ドイツ帝国メクレンブルク=シュヴェリーン大公妃、元ドイツ皇帝の後妻、ブルガリア王妃らを輩出)の公子(ロイス家の男子は全員がハインリヒで、〜世という違いしかない)夫人だったが、結婚十年目に夫が弟の夫人と不倫の末に妊娠させ、マリア公女と離婚した上で再婚(間もなく離婚した)するということがあり、その後は一人娘にも先立たれて、継承者はいなかった。
現在ザクセン=アルテンブルクのプリンス・プリンセスを名乗るのは、マリア公女が継承者に定めた公家とは直接の血縁関係のない伯爵家(上記のオリガ公女の婚家である伯爵家=旧家の貴族とは無関係)の成員で、その経緯は判っていない。
この頃アンハルト公女(マリア公女の祖母アンハルト公女マリア・アンナの実家の成員)で元プロイセン王子の妃が、金銭的な困窮から養子を三十人以上も取って称号を売っていたこともあり、アルテンブルク家にも様々な事情があったと考えられるが、帝国の崩壊やナチスの台頭(ドイツ帝国内の王侯貴族でナチスに協力した人物は多かった)・敗戦といった歴史的な事柄が王侯貴族の運命を大きく変えていた。

マリーの死後、アルベルト公子は、ロシア大公女である母の遺産によって大変裕福だったドイツ帝国メクレンブルク=シュトレーリッツ大公国公女と再婚した。
娘二人はロシアで過ごすことが多く、公女らは従姉妹に当たるスウェーデン皇太子妃(英国ヴィクトリア女王の三男コノート公爵の長子で、王妃になる前に懐妊中に亡くなった)とも親しかった。
マリーの妹のオルデンブルク公妃エリーザベトも、やはり若くして亡くなった。
もう一人の妹のルイーズは英国のコノート公爵アーサー王子の夫人で、ヴィクトリア女王の夫君アルバートの兄から続いたドイツ帝国ザクセン・コーブルク=ゴータ公国(アルテンブルクとは別のヴェッティン家の傍系の一つ)の公位はコノート公爵の兄の一人息子が早世したことでコノート公爵家に回ってきたが、こちらも継承者がなく、血友病で若くして亡くなったヴィクトリア女王の末息子のレオポルド王子の息子が継いだ。
そのほか、父が待ち望んだ末に生まれた一人息子の弟がいる(立て続けに娘が産まれた際、激怒したマリーの父は妃を平手打ちして鼓膜を破り、マリア・アンナ公女はそれが原因で耳が聞こえなくなったと言われている)。

セピアカラーだが退色は少なく、顔の造形やドレス等の細部はかなりよく見える。
この時代の典型的なスタイルのパラソルを持ち、装飾性の高い凝ったドレスを着用している、非常に美しい一枚。
縦長の珍しいサイズで、婚姻期間が短かったため、オランダの写真館の写真は少ない。
裏に写真館のシールが貼ってあるものもあまりない(妃が実家の御用達の写真館で撮影した写真を輸入したものなど、写真師と販売元が異なる場合があって添付してあるが、多くが経年で剥がれたり剥がされたりで残っていない)。
角に丸み、傷・汚れあり。
状態は良い。

※古写真について
鶏卵とは写真のプロセスを言い、手札判とは、いわゆるアンティークの分厚い面取りガラスの写真立てに入れて卓上に飾ったような大きいキャビネ判ではなく名刺サイズを指す、鶏卵紙を使用した古写真の種類です。
鶏卵写真より少し後の時代の銀塩写真(シルバープリント、独特の光沢がある)もコレクターズアイテムとなっており、アンティークのポストカードにもその手法で作られたものがあります。
手札版の鶏卵写真は、元々は当時海外でカルト ド ヴィジットと呼ばれた訪問時に相手方に名刺代わりに差し出す写真入りのカードで、王侯貴族や俳優等の有名人のカードはスタジオにより販売されていました。
現在で言う付録のカードとはまた異なり、そういった食玩的なセレブリティーのプリント写真入りカードもアンティークには存在しています。
手札判写真のコレクターはカルト(カードの仏語)マニアと呼ばれ、ヴィクトリア女王もその蒐集家の一人でした。
今も英国のナショナルポートレートギャラリーにはヴィクトリア女王の縁戚の王侯貴族の写真が多くあります。
古写真自体が近年まで日本ではあまり評価されて来なかったもので、当時からアルバム用の大型の写真等も海外へのお土産用として欧米に渡っています。
ですので、海外の美術館のようなコレクションを誇る機関は日本にはありません。
けっこう前の情報ですが、古写真をコレクションしているのも熊本大学くらいでした。
着色写真など芸術的な観点から美しいものも多々あり、また、取り壊された城郭や藩邸、火災で消失した金閣寺等々現存していない建物の写真も残されており、史学としても貴重な資料が多く在ります。


※お取引に関する注意点
・商品の傷、汚れは目立つもののみ記載
・古物の性質上、基本的に記載以外の傷や汚れ等のダメージはある
・画像は未加工だがモニターにより実物と差異がある場合あり
・小物はデジタルノギスで計測しているが誤差がある場合あり
・大きな物はメジャーで計測する素人採寸のため誤差が出る可能性あり
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